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「湯野上温泉火祭り」で展示します。

「湯野上温泉火祭り」とは、南会津の湯野上温泉で今年から行われる”どんと焼き”をメインにしたお祭りで、2月10日と15日の二回、どんと焼きをします。

どんと焼きというと全国的に、1月の小正月に焚かれる大きな焚き火で、正月の飾り物や書き初めなんかを燃やす年中行事ですが、南会津の湯野上ではどんと焼きのことを”歳の神”と呼ぶんだそうです。それで、今回のお祭りは今年から新たに始まる村の行事なので、歳の神と分けるために、村では耳馴染みのない”どんと焼き”とネーミングされたそうです。


そのほか、六日間、キャンドルナイトやライブなどいろいろと企画されています。お祭りといっても小さな村なので、4〜500人の人出もあれば村がいっぱいになりそうです。

雪をかぶった稜線するどい山に囲まれて、このあたり独特の景観の谷を見おろす温泉と、雪のしんしんと情緒のあるほかはなにもないようなところです。


僕はここで、計八ヶ所で展示します。

壁にただ絵を掛けるのではありません。展示場所は地元旅館さんなんですが、各旅館のイメージを増長もしくは転換するような展示をします。それはなぜかというと、このお祭りが地元振興の祭りであって、同時に外界の新風を取り入れたいという主旨があることに賛同して協力したいという気持ちもありますが、同時に、自分の作品を使って、たくさんの人としっかりと向き合ってみたいと思うからでした。


「絵」といっても、いろいろ切り口があって一口には言えません。レクリエーションのために描くものとも言えるし、インスピレーションを伝え合う道具だとも言えます。

また、一口にインスピレーションといっても、人によってその姿かたちや意味合いまでいろいろ違ってきます。不特定多数の人に訴えかけられるものもあるにせよ、実はもっと確実なインスピレーションの伝達方法は、一対一のやりとりから引き出せるのかなと思います。

昨晩は、一緒に合同展示するため、村の子供たちに絵を描いてもらうワークショップを開いたんだけど、十数人、一度になにか伝えようとしてもうわべのことしか伝えられません。実際には一人ひとりの子供の顔を見て、話を聞いて、やっとその子のことが少しわかって、伝わる表現方法も少し分かってくる。


伝える方便はいろいろでも、僕が伝えたいことは、たぶん”勇気”だと思います。

ごく個人的な絵に対する思いとは別に、いま、僕は社会に向けてなにか発信しなければいけないなあと感じます。震災以降、生活の安全と経済問題とが同時に緊急事態となり、日本全体が揺らいでいます。そして、これは単に一時的な問題ではなく、これからの日本全体のライフスタイルを決定するような転換期にあるんだと思います。現行の経済偏向が進めば、不公平な格差社会の問題だけでなく、健康や環境の問題も解決しません。多くの人がそれに気づいていますが、それでも多数派ではない。

僕たちは現状をしっかり伝え合う、認識しあう、そして広め合う必要があるんだと思います。そして、伝え合うのには勇気が必要なんだと思います。間違ってることを間違ってると言うのって勇気がいることだと思うので。


僕は湯野上温泉にすでに二週間以上、滞在しています。会津の気候を体感し、気風を感じています。そんな中ひらめいたグラフィックを、ある旅館さんのビリヤードルームで部屋一面の壁に描かせていただきました。そのグラフィックは赤い旭日の放射して拡がるラインを切り取ったものです。

会津は、東北では目立って気性の荒さがあるように思います。山並みは険しく連なり、”みしらず柿”と呼ばれる地元の柿は”身の程知らず”なほどたくさんの実をつけ、冬になっても多くの実が凍ったまま枝にしがみついてぶら下がっています。人と山とみしらず柿が、本質の部分で連関しているように思えます。

そういう気性のはげしさ、それを”パワー”と感じて、そのグラフィックを壁に描きました。

けれど、このグラフィックはその旅館さんのことだけに触れているのでもなく、会津にだけ触れているのでもありません。日本全体に触れているつもりです。なにか勇気を持ってもらう力になればと思います。


「絵」といっても、いろいろな切り口があります。絵に絵画というものがあるとして、その絵画をもっとも純粋に味わう作法があるとして、それはやっぱり絵のほかはなんの情報も存在しない真っ白な状況で、絵に対面することだろうと思います。絵の画面の中だけで表現できるものがあるんだろうと思います。物語であったり純粋なインスピレーションであったり。そういうものが描きたいと思います。けれど、今回はそういう気持ちで描いた絵を、それとは別の使い途で、もっとも抽象的で言葉にならない”力”を表現することを意識しています。

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